2025/11/06
はじめに
「うちの猫がトイレ以外でおしっこをしてしまう…」そんなお悩みを抱える飼い主さんは少なくありません。実は、猫のトイレの失敗(粗相)は猫の問題行動の中でも非常に多いトラブルのひとつです。しかし、猫は決して“わざと”粗相をしているわけではありません。そこには、病気や環境、ストレスなどしっかりとした理由があるのです。今回は、猫が快適に使えるトイレ環境のポイントと、トイレの失敗を防ぐための工夫についてご紹介します。
まずは「病気」を疑いましょう
トイレの失敗が続く場合、まず最初に考えるべきは体の不調です。膀胱炎、尿石症、慢性腎臓病など、排尿に関する病気は猫に多くみられます。こうした病気では「痛み」や「違和感」、「排尿を我慢できない」などの理由で粗相をしてしまうことがあります。気になる症状があるときは、尿の回数や量、排尿時の姿勢、いつから症状が始まったかをメモしておき、動物病院で詳しく相談しましょう。
トイレ環境が原因のことも
病気がない場合は、トイレそのものが猫に合っていないことも多いです。猫はとてもきれい好きで繊細な動物。「ちょっと嫌だな」と思うとトイレを避ける傾向があります。猫がトイレを嫌がる主な理由は、
①トイレが小さい
②カバー付きでにおいがこもる
③砂の種類が気に入らない
④落ち着かない場所に置かれている
⑤トイレの数が少ない
などが挙げられます。
トイレの際に猫が、砂のにおいをかぐことや掘る時間が少なかったり、排せつ後に埋める行為が短かったり走ってあわててトイレから出て行ったり、縁に立って排せつをしたりしている場合はトイレに問題がある可能性があります。

このトイレ、快適じゃないにゃ〜
トイレの大きさは「体の1.5倍」が理想
猫は排泄前に砂をかいたり、うろうろしたりします。この行動を自然に行うためには、十分なスペースが必要です。トイレの大きさは、猫の頭からお尻までの長さの1.5倍以上を目安にしましょう。カバー付きで狭いトイレはにおいもこもりやすく、猫にとってストレスになります。
猫砂の種類にもこだわりを
多くの猫は、細かくて柔らかい砂を好みます。足ざわりが悪かったり、香料の強い砂は嫌がることもあります。猫によっては好みが違うことがありますので複数種類の砂を並べて猫の好みを観察することもおすすめです。
トイレの設置場所の工夫
トイレの場所は、猫にとって「安心してこもれる場所」であることが大切です。猫の生活エリアから遠すぎない場所に置き、洗濯機など大きな音の出る家電の近くは避けましょう。また、夜間に真っ暗になると猫もトイレまで行くのが難しくなるので照明を工夫するなど静かで清潔な場所を選びましょう。
多頭飼いなら「頭数+1個」が基本
多頭飼いでは、他の猫の排せつ物が残っていることを嫌がってトイレを使わない場合があります。いつでも綺麗なトイレが残っているようにするためトイレの数は猫の頭数+1個が目安です。それぞれの猫が気兼ねなく使えるように、掃除もこまめに行いましょう。
粗相をしてしまったときの対処法
失敗した場所は、酵素系クリーナーでにおいを完全に除去しましょう。アンモニア臭が残ると猫が再びその場所をトイレと勘違いすることもあります。また、猫を叱らないことが鉄則です。叱るとストレスが増し、かえってトイレの失敗を繰り返すことがあります。
「マーキング行動」の場合もあります
しっぽをピンと立てて少し震わせながら壁などにおしっこをかける行為は、スプレー行動(マーキング)です。これはトイレの失敗とは違い、縄張りやストレス、恋愛行動が関係しています。対策としては、去勢・避妊手術、外の猫が見えないように窓を遮る、ストレスを減らす環境づくりが有効です。また、フェロモン製剤「フェリウェー」が有効であることもあります。
トイレ環境を整えることが“幸せ”への第一歩
トイレの失敗には必ず理由があります。叱るよりも、猫の気持ちを理解して環境を見直すことが解決の近道です。たいち動物病院では、猫のストレスケアやトイレ相談も行っています。トイレの失敗やマーキングにお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。

052-896-5556